泡のような世界で君と恋をする
――すっと。

何かが、消えた。

音も、光も、痛みもない。
ただ、そこにあったはずのものが、最初から存在しなかったかのように。

(……これでいい)

そう言い聞かせる。

だが、胸の奥には
ぽっかりと空いた空洞だけが残った。

――その頃。

澪は、胸元を押さえていた。

理由は分からない。
ただ、寒い。

(……ルシア?)

名前を思い浮かべても、
返ってくるはずの“感覚”が、何もない。

姿は見える。
声も届く。

それなのに――

(……遠い)

初めて、そう感じた。

知らないうちに、何かを失ったことだけが、
確かに、心をざわつかせていた。
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