泡のような世界で君と恋をする
――選ぶこと

その頃、私は客殿で、ひとつ決めていた。

(……待つだけは、やめよう)

共鳴がないなら、ないなりに。

王に守られないなら、
人間として、できることを探す。

「……話を、聞きたい」

そう呟く。

この国のこと。
境界のこと。
“鍵”と呼ばれた理由。

誰かに教えを乞うことは、
弱さじゃない。

それを、私は知っていた。





同じ夜。

僕は、回廊の端で立ち止まり、空を見上げる。

共鳴はない。
だが――

選択は、まだできる。

「……澪」

名前を呼ぶ。

届かなくても、構わない。

これは王の力じゃない。
ただの、意思だ。
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