泡のような世界で君と恋をする
「いや」
「これは……」

「固定された」
カインが、言った。

「澪を通して」
「境界が、“人間を拒まない理由”を得た」

沈黙。

ルシアは、私を抱いたまま動かなかった。

王家の力は、使えない。
共鳴も、ない。

ただ、抱き締めることしかできない。

「……私は」
声が、掠れる。

「王として、正しい判断をしてきた」
「だが――」

私が、微かに目を開く。

「……でも……」
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