泡のような世界で君と恋をする
王の間では、新しい協定が結ばれつつあった。

人魚の王国と、人間の世界。
完全な理解には、ほど遠い。

それでも。

「境界に立つ者を、道具として扱わない」

その一文が、記された。

署名の場に、私の名はない。
肩書きもない。

それが、条件だった。

「象徴は、作らない」
「前例だけを、残す」

セリオが言う。

「誰でも、選べるって前例だ」

ミルルが、私を見る。

「怖かっただろ」
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