初恋の君は、闇を抱く。
「俺さ、知り合いが困ってるの放っとけないタイプなんだよ」
「困ってないです……から」
「ゼロ番じゃ話せないこともあるだろ?ほら、あそこは身元も明かさないし、気軽に聞いたりできないじゃん?」
確かに。
あそこじゃ話せないことも沢山ある。
ゼロ番とここじゃ別世界だから。
「少し話さない?気分転換に」
私が悩んでると続けて、
「大丈夫、変なことはしないから」
と笑った。
その表情がこの前の夜とは別人で。
あの時は酔っぱらってたみたいだし……
本当はもっとまともな人なのかな。
私はつい頷いてしまった。
校門を出て、少し歩幅を合わせて歩く。
「疲れてるって言われるの、嫌だった?」
「……別に。でもそう言われたの初めてで」
「そっか」
それ以上、掘り下げてこなかった。
沈黙が流れる。
でも気まずくはない。
むしろ、放っておかれてる感じが楽だった。
「最近ゼロ番で見ないね」
「……行ってません」