初恋の君は、闇を抱く。
「凪はさ、今限界の一歩手前って感じ」

ドクンと心臓が波打つ。

「……そんなこと」

〝ない〟と言い切れる?

「無理に吐き出さなくていい。言いたくなった時でいいから」

夕方の風が、制服の裾を揺らした。

イブに言われたことが頭をよぎる。

――変なこと言われても信じるな。

三上は変なことは言っていない。

ただ、そのままでいいと言ってくれている。

イブはなんでこの人との接触をさけようとしていたんだろう。

そこまで悪い人には見えないのに。

「イブはさ」

突然の〝イブ〟に思わずどきっとする。

「心配性なんだよな、正義感が強いっていうか。ゼロ番を新しい風によって壊されたくないんだろ」

「……イブとは仲良いんですか?」

「仲良いように見える?」

即首を横に振ると、三上が笑った。


「なんか一方的に嫌われちゃってるんだよね、俺はなんもしてないんだけど?ゼロ番にいるのが気に食わないみたい」




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