初恋の君は、闇を抱く。
「……三上が言うなら」
誰かがつぶやき、その一言で流れが決まった。
三上を見る視線が、以前とは違う。
「凪」
三上が私にだけ聞こえるように、声をかけてきた。
「ここに来るの久しぶり?」
「……はい」
本当は少し怖かった。
イブのいないゼロ番がどう変わっていくのか。
でも、さっきの一言でみんながまとまった気がした。
「大丈夫だから」
あれだけ嫌だと思った三上のことが、今は心強い存在になりつつある。
「凪、あっちでちょっと話せる?」
「……」
「やっぱりまだ俺の事怖い?」
苦笑いを見せる三上。
もう怖くはない。
そうじゃなくて……
イブを裏切ってしまうような気がして。
「ちょっと!」
その時、目の前に紗夜が息を切らして立っていた。
「ああ……紗夜ちゃん、だっけ?」
三上がそう言うと、紗夜がギロッと三上を睨んだ。
「なんっでコイツと……ちょっとこっち来て!」
紗夜が私の腕を引っ張り、歩き出す。