初恋の君は、闇を抱く。
「急になにっ……」
「いいから!」
強引に路地裏に引っ張られて、私の腕はようやく自由になった。
「……びっくりした。久々に来てみたらあんたがあいつと!」
「別に……たまたま会って話してただけ」
「三上がどんなやつか、知らないでしょ」
「三上……先輩は私と同じ高校だった」
「えっ……」
紗夜が言葉を失って固まっていた。
「どうしてイブとあなたがそんなに三上先輩を嫌ってるのか、正直わからない。三上先輩はそんなに悪い人に見えないから」
「ゼロ番は……イブが必死で守ってきた場所。そのイブがいなかった時に色々あって……」
「色々って?」
「それは……今は言えない」
何が言いたいのかわからない。
どうして隠したがるのか。
「三上先輩はさっきもゼロ番を壊したくないからってみんなに呼びかけてたんだよ、イブのことだって悪く言ったりしない」
「それが計算だったら?」
「そんなのわからない……でも三上先輩は少なくとも私にとっては悪い人じゃない」
「そう……わかった」
紗夜は冷めた目で私を見た。