初恋の君は、闇を抱く。
『凪は最近どうなの?ゼロ番行ってる?』
「今日久々に来たんだけどさ……空気が変わってて。イブもいなくて……」
『あ……私この前ゼロ番の子にちらっと聞いたんだ、イブのこと』
「え?」
ドクンと心臓が嫌な音を立てる。
『腕に刺青あるらしいんだけどさ、あれって忘れられない人の名前掘ったらしいよ』
「……」
腕……見たことない。
忘れられない人の名前、か。
『てっきり凪をお気に入りなのかと思ったのに』
「そ、そんなことないよ。最近会ってないし、もう私の事なんて忘れてると思う」
『そうかなぁ、なんか桜田町の飲み屋で働いてるらしいよ』
桜田町は多くの飲み屋が沢山立ち並んでいる歓楽街だ。
「そっか、だからもうこっちには顔出さないんだね」
『週6とか多い日には7で働いてるって!やばくない?休みないよね』