闇底の純愛
のろのろ起き上がって、京の隣に腰を下ろして、そのまま机に突っ伏す。
「酔ちゃーん、教えてくれるんじゃなかったのー」
京が私のぐちゃぐちゃの髪を手で梳く。
ゆっくり、顔だけ横に向けて京を見る。
「…京って勉強なんかするんだ」
「え?普通にするよ?俺をなんだと思ってるの、酔ちゃん」
「……」
いつも女といるチャラ男。
成績なんか、毛ほども気にして無さそう。
そう思ったが、口には出さず体を起こす。
視線を京が開いてる教科書に落とし、ざっと目を通す。
「……ここは、この公式を使うから……」
「なるほどねー」
京は私が少しヒントを出すだけで、後はすらすらと迷いなく解いていく。
教室に張り出されるテストの順位表に、京の名前はいつも載っていない。
だから、どの程度なのか分からなかった。
けれど、飲み込みも頭の回転も速い。
テスト前に少し勉強するだけで順位表に載るくらいになるだろう。
それでも載ってないってことは、勉強できる環境にいないのだろう。
なんとなく察して京から目を背けた。