闇底の純愛
それから結局私も京と並んで自分の勉強をし、ようやくひと段落ついて、11時。
京がフレンチトーストを作ってくれる。
湯気が立ちのぼり、部屋いっぱいに甘い匂いが広がった。
まずは一口、何もつけないで食べる。
外は軽く焼けていて、中はふわふわとろとろ。
相変わらず料理の腕はすこぶる良い。
それからはちみつをたっぷりかける。
京には言ってないけど、私はあまいものが大好きだ。
すでに粉砂糖がかかってる上に、滴るくらいのはちみつを絡ませて、ひとくち。
...しあわせ。
「おいしい?」
こくん、と小さくうなずくと、京は満足そうに微笑んだ。
私に料理を食べさせるとき、京は必ず「おいしい?」と聞く。
そして、うなずくと今みたいに微笑む。
もくもくと食べていると、フレンチトーストはあっという間に無くなってしまった。
「……おかわりないの?」
名残惜しくて、つい聞いてしまう。
「残念ながら。もうパンが無いからね」
「そっか……」
「......ふふっ、また作ってあげるから、そんな顔しないでよ」
……いったいどんな顔をしてたと言うのか。
「気に入った?」
うん、と小さくうなずく。
「酔ちゃん甘いの好きなんだ。蜂蜜口についてるよ。」
そう言って京が自分の口の横をちょんちょん、と指す。
舌でぺろっと口の横を舐めたら甘かった。