【完結】Blackberry

28 社会常識レッスン

私は燐牙さんの社会常識の無さに呆れつつあった。
彼は欲しい物はケンカして奪う。
気に入らない奴は消す。
というような世界で生きていた人物であり、その燐牙さんに社会常識を教えるのはかなりの苦労だった。

その日、燐牙さんにボールペンとノートを渡した。

「なんだよ、これ…?」

「彼氏ノートです。
1番最初のページに空欄の表が書いてあるでしょう?」

「あぁ…
だから、何なんだよ、これ?
早くSEXさせろよ。」

一言多い彼。

「その表が満杯まで溜まったら…
ご褒美はSEX!」

「マジかよ!
よぅし、やるぞ!!!
やってやる!
ここに、鬼千会の若頭あり、だ!!!」

「はい、早速マイナス10点!」

「え…!?
マイナスとかあんの!?」

「もちろんあります。
1000点にならないと、ご褒美はあげませんよ?」

「ふざけんな!
1000点とか貯まるはずねぇだろ!」

「はい、マイナス50点。
美しい言葉を心がけましょう。
燐牙さん、表の後ろのページは空白ですよね?
そこに、今から言う事を書いてください。」

「えー、マジかよ…
ダリィな…」

「書きますよね!?」

「か、か、書きます…」

「まず、①ヤクザ言葉は使わない!

シメるぞ、こらぁ!
→本気で痛い目に遭わせますよ?」

「ちょ、ちょっと待て、梨紗!
そんな、『本気で痛い目に遭わせますよ?』とかで相手が芋引く訳ねぇだろ!
『シメるぞ、ごらぁぁぁ!』だろーよ!」

「聞いてました?
ヤクザ言葉は使わない!
って言ってるんです!
そーんな、野蛮な言葉とんでもない!!!」

私は言う。

「マジかよ…」

「続けます。

ナメとんのか、ワレ?
→私を馬鹿にしているんですか?」

「嘘だろ!
ヤクザが『私を馬鹿にしているんですか?』なんて、死んでも言わねーよ!」

「だから、ヤクザを忘れなさいってば!
ここでは良いけど、私とデートの時は一般人やってもらいます!

続けます。
ごら、表出ろや!
→ちょっと外で話しましょうか?」

「うーーーん…
なんて言うか…
締まらねぇよな…」

燐牙さんは頭を抱える。

「続けます。

指一本じゃ、済まんで?
→重大なレベルの問題ですよ?」

私の講義は延々と続いていく。

燐牙さんは必死でメモする。

「ちょっとそこまでのノート見せてくださいよ。」

「おぅ、いいぞー。」

燐牙さんから、ノートを受け取る。

き、き、汚い…!
まるでミミズが這ったような字だ…!

「燐牙さん、これ、リですか?ソですか?」

「ばぁか、そんなの…
…あれ?
どっちだ?

まぁ、リもソも変わりねーんじゃね?」

私は呆れ果てて言葉も出なかった。
その日、燐牙さんはマイナス80点を記録した。
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