【完結】Blackberry

38 マフィア

sideアレクサンドル=イワノフ

俺はロシアマフィア・ドゥーシャのボスだ。
アレクサンドル=イワノフ。
しかし、その名前を知る者はごく一部の幹部に限られていた。

俺の手元には、巨大なタッチパネルがあり、世界地図を映し出している。

そして、俺の目線の先にはジャパン…
そう、日本があった。

日本ではマフィアという名は使わず、ヤクザやゴクドウと言うらしいが、確かにジャパニーズマフィアは存在する。

だからなんだ?

この世は弱肉強食だ。
弱い者は肉となり、強き者の糧となる。
つまり、ヤクザなど、食ってしまえばいい。
そう思った。

それに、日本がいくら貧しくなったと言え、トウキョーはかなりの金が渦巻いている。
宝の山だ。
これを放っておく手はない。

『イワノフさん、ジャパンに興味があるのですか?』

『あぁ、トウキョー、オオサカ、フクオカ…
欲しいとは思わないか?
そこを牛耳ることが出来れば…
ドゥーシャに素晴らしい利益が、いや、莫大な利益がもたらされる。

トウキョーを治めているヤクザを知っているか?
ミスター・シゲモト?』

『トウキョーですか?

そうですね。
最近海勝会が鬼千会に食われてからは、確かに鬼千会が仕切っていますよ。
トウキョーの大部分を、ね。』

『ほぉ、それは興味深い。
で、そこのエースは?』

俺はあえてエースは?と尋ねた。
1番力のある、頭の切れるやつを知りたかったからだ。

『リンガ・イチノセ、でしょうね。』

『リンガ…
イチノセ…』

『かなり頭の切れる鬼千会のNo.2で、シノギ、つまり上納金もかなり上げているとか…
それに、海勝会を沈めたのも彼ですよ。』

ミスター・シゲモトは言った。
彼は日本のとある企業の重役だ。
日本の情報を仕入れるために密かに契約を交わしている。

『そうですか。
で?
イチノセの弱点は?』

『はははっ…
そこまで質問されるとは思いませんでしたが…
イチノセには愛する妻がいるのですよ。
たった1人のね。』

『ふんっ、馬鹿馬鹿しい。
マフィアに妻など不要だ。
必要なのは性欲処理のオモチャだけだ。』

『それがマフィアの常識ですよ。
実際にグループからも女に甘いと批判さえ上がっています。』

『なるほど…
女…
か…』

俺は不敵な笑みを口元に浮かべた。

『まずはどこから攻めますか?』

『女は切り札だ。
まずは、奴らの縄張りを荒らすのさ。』

『なるほど。
では、私はイワノフさんのお手並み拝見しましょう。
必要な情報はもちろんお教えします。』

そして、短い話し合いは終わったのだった。
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