『待つ女』をやめたら、『追われる女』になりました【短編】





 シャルロッテは、アルトゥールの求婚を受け入れた。
 なので、もうエドゥアルトのことなど待つ必要は完全になくなった。

 彼女は、卒業パーティーで王太子が婚約破棄宣言をする情報を得ていた。しかもお粗末な証拠付きで。

 そこで、密かに王太子サイドが用意した『証拠』を手に入れ、全ての反証と、逆にこちらから婚約破棄を申し入れる正当な理由を記した書類を作成した。
 国王は最初は渋ったが、息子の無能さを知ると決心(・・)がついたようだ。

 彼女はパーティー会場で王太子を返り討ちにするのも面白いと考えたが、その日まで彼を『待つ』時間が勿体ないと思った。

 エドゥアルトなど、もう待つ価値もない。
 シャルロッテは、先に行くのだ。


「行こうか、シャルロッテ嬢」

「えぇ。アルトゥール様」

 シャルロッテはアルトゥールの差し出した手を取る。
 これからは、自分を待ってくれる人を大切にしようと思った。
 ずっと。
 



 


 
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