【完結】天才弁護士の溺愛ミステリー

44 ボールペン

目が覚めると、私は浴衣に着替えて布団の中にいた。
隣には、それはそれは美しい宇賀神先生の寝顔があった。

昨日の事を思い出してかなり赤面する私。

私はそっと布団を出て浴衣から、普段着に着替えた。
どうも、浴衣じゃ捜査の雰囲気が出ない。

「先生、先生…!
起きてください!」

「んー…
おっぱい…」

「何寝ぼけてるんですかぁぁ!?
このエロ男ぉぉぉ!」

私の蹴りが宇賀神先生の腹部にヒットする。

「ゴホッ!
…そんなに乱暴に起こさなくったっていいでしょ!?」

「せ、先生がいやらしいから…!」

私は言う。

「男なんてみーんな、いやらしいですよっ!」

「と、とにかく捜査の続きをしましょう!」

「はぁぁぁあ?
こんな天気のいい日にぃ?」

「雨でも雪でも関係ありません!
さぁ、朝ごはん食べたら行きますよっ!」

私は鬼の形相でそう言った。

♦︎♦︎♦︎

朝ごはんを食べ、私たちは捜査の続きに戻った。

昨日の聞き込みによれば、亡くなった神田弘(かんだひろし)さんは、広島からの会社総出の京都旅行中だったらしい。

つまり、会社員18名と一緒だった訳だ。
物取りでもないため、恐らくその18人の中に容疑者がいると思われる。

が…

多すぎる…

18人にアリバイを聞いた所で…

しかし、一点有力な情報があった。
神田さんの死ぬ10分前の携帯電話には着信があり、園田久子(そのだひさこ)さんという社員がかけていたらしい。

園田さんに事情を聞くと…

「えぇ、確かに電話しましたよ。
亡くなった神田さんはこの社員旅行のお会計係だったので、いろいろとそれを聞きました。
その時彼は確かに誰かと一緒にいるようでした。
なぜって?
「このペン直しといてくれんか?」って声が聞こえて、相手から「分かった」という声が聞こえましたから。
声の相手?
多分男性の声だったと思うけど…
ぼんやりとしか聞こえなかったので…
はっきりとは…」

と言う事だった。

「うーん、相手が男性という事なら…
18名のうち10名には絞れるんですけどね…

それでも多すぎますよねぇ?」

私は困ってそう言った。

「事件現場に少し用があります。」

「え?」

先生が言うので、事件現場に向かった。

「やはりそうですか…」

先生は言う。

「何か分かったんですか、先生!?」

「ここにボールペンが落ちているんです。」

「はぁ?
それが?」

「いえね、このボールペン、分解さらてるんですよ。」

「だから…?」

「鈍いですねぇ。
故・神田さんは、電話先で、「このペン直してくれんか?」と言ってます。
つまり、修理してくれないか?と。
犯人はそれをしようとしたのでしょう。」

「はぁ…
修理しようとしたボールペンじゃないんですか、じゃあ?」
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