この恋に名前をつけるとするならば
そして、自宅まで送ってもらったわたしは郁人さんに「じゃあ、また明日。」と言われ、無事に帰宅する事が出来た。
「ただいまぁ。」
家に入ると、家の中は真っ暗で、どうやら雅は留守のようだった。
(居ないんだ。ランニングでも行ったのかな。)
そう思いながら、ソファーに腰を掛けると、身体には電気が走るかのような痛みを感じた。
「イタタタッ······」
腕から肩にかけてと、足先から太腿にまでピキッと骨に響くような痛み。
ここ連日の仕事の忙しさからの疲労なのか、久しぶりのライブでの疲れからなのか。
(湿布貼って寝ようかなぁ。あ、でも!湿布のニオイのつけたまま、明日命くんに会いに行くわけにはいかない!)
わたしは身体に痛みを感じながらも、湯船に浸かれば少しはマシになると思い、ゆっくりと湯船に浸かり、疲れを癒してから布団に潜り込んだ。
(明日、また命くんに会える。)
そう思うと気持ちが高まり、なかなか寝付くことが出来ずにいたのだった。
それから次の日。
郁人さんはお昼頃、わたしを迎えに来てくれた。
「おはよう。」
「おはようございます。今日もまたお世話になります。」
「いいーえ。」
車に詳しくないわたしでも何年代ものの車なのかまでは分からないが、価値がある車種なのだろうと感じる郁人さんの車。
わたしは初めて行く命くんの家にドキドキしながら、窓の外を流れる景色を眺めていた。
(初めてのおうちデート。どうしよう···、わたしの心臓は持つだろうか。)
久しぶりの命くんとの二人きりの時間。
わたしは何かをするかよりも、ただ命くんの傍に居られる時間を作れた事が嬉しくてたまらなかった。