最愛の灯を吹き消す頃に。
「転校初日の過ごし方」は三次元だろうが二次元だろうが隔てなく全国共通なのだろうか。

その日、元宮契は一日中、クラス関係なく人に囲まれ続けていた。
そのほとんどが女子だった。

更に「お裾分け」として、「隣の席マジで羨ましい!」って言われ続けた。
なぜか私まで気疲れしてしまって、放課後になると逃げるように教室を飛び出した。

「あんなイケメン、現実世界に存在してるんだね」

ベージュのショルダーバッグを肩には掛けないで、ショルダーの部分を掴んでブンブン振りながらさゆみが言った。

「胡散臭いじゃん。なんか裏でもあるんじゃないの」

「あはは。てか新凪まで注目されちゃってなんか可笑しいね」

「ほんとだよ…。ちょー疲れた」

「あーあ。あんなイケメン、もっと近くに居ればいいのに」

「そんな人、とっくに芸能人にでもなってんでしょ」

「ざんねーん」

「…うわ、最悪」

「どうした?」

「体操服忘れてきた」

「ゲ。それは最悪だ」
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