最愛の灯を吹き消す頃に。
運動場では部活動が始まっていて、野球部の威勢のいい掛け声なんかが響いてくる。

「元宮くん?」

「…真中さん」

ゆっくりと振り向いて私を認めた後、元宮くんはあの人懐っこい顔で微笑んだ。

「何してるの」

「ちょっと休憩」

「休憩って。さっさと帰ったほうがラクじゃん」

「確かに。真中さんこそどうしたの」

「体操服忘れちゃったから取りに戻ってきたの」

「それは大変だ」

「元宮くんって運動神経もいいんだね」

今日の体育は男女混合でバレーボールだった。
元宮契は一人で何点も決めていてチームのエースだった。

「そんなことないよ。てか、″も″って?」

「別に…」

顔″も″、なんて悔しいから絶対に言わない。
< 15 / 27 >

この作品をシェア

pagetop