最愛の灯を吹き消す頃に。
「うわっ…エマ、めっちゃ汚れてんじゃん!」

「おやまつくってた」

エマちゃんの足元には小さいお団子のような盛り上がりがある。
土ではないし水も使っていないからサラサラと崩れる砂では、エマちゃんみたいに小さい手で山を作るのは大変だろう。

「手、洗って」

元宮契の大きい手のひらがエマちゃんの小さい手のひらを引いて公園の水道まで連れていく。
そのまま自分のスカートで拭こうとするエマちゃんを制止しながら、ポケットから取り出したネイビーのタオルハンカチで拭いてあげる姿は、兄というよりも父親みたいに見えた。
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