最愛の灯を吹き消す頃に。
「元宮くん。私が遊びに行ったらさすがに迷惑かな」

「え」

「エマちゃんがグズっちゃったら元宮くんも大変だと思うし。エマちゃんも、もうちょっと遊びたいのなら可愛想かなって」

「真中さんはいいの?」

「私は特に用事もないし」

「エマ。今日、ママは?」

「おともだち」

「…そっか。じゃあ真中さん。少しだけ甘えてもいいかな」

「もちろん」

私にとってもまさかの展開だけど、会って数秒なのに遊びたい遊びたいって駄々っ子なエマちゃんがなんだか可愛かった。

それになんとなく引っ掛かるというか違和感がある。

エマちゃんはまだ四歳だ。
これくらいの年齢の子どもがどうして一人で居るのだろう。
母親があまりにも無関心のように思える。

あの坂は急勾配なわけではないけれど四歳の子どもが一人で行き来できるほど安全なんて言えない。

実際にエマちゃんは自分の足で坂を登ることを嫌がった。
元宮契はそんなエマちゃんを背負いながらすごく大変そうだったけれど、エマちゃんはお兄ちゃんの背中で嬉しそうだった。
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