最愛の灯を吹き消す頃に。
初めて会った転校生、しかも男子の家にいきなりお邪魔している。
その妹はスヤスヤと気持ち良さそうに寝息を立てている。
元宮契はお着替え中で戻ってこない。
少しまだ緊張しているのかお手洗いに行きたくなってしまった。

リビングを出る。
「ちぎり」となぜか平仮名でペイントされているプレートのドアが半開きになっていて、灯りが漏れている。

「元宮くん、ごめん。おてあら…」

「わっ」

「うわぁっ…ごめんなさいっ…」

カッターシャツから部屋着のTシャツに着替えている途中の上半身が丸見え!

瞬時に動けなくて一瞬凝視してしまった私より早く、元宮契は慌ててTシャツを着た。
ブランドのロゴがワンポイントで胸元に入った白いTシャツ。

白のせいで余計に背中が映えて見えてしまったせいか、
私の視界に映るものが勘違いだと誤魔化せないくらい、焼き付いてしまった。

背中全体に広がる青紫の痣。
少し時間が経っているのか、黄色っぽく変色しているものもあった。

それがもう私の目に映ってしまったことが彼にも分かるのか気まずそうに俯いている。

エマちゃんと公園で会った時からなんとなく感じていた違和感。

元宮契の背中を染める青紫。

衝撃的な光景。
だけど余計に、だからこそ一番の違和感は、この元宮契の中に在る。

私がずっと感じていた違和感はこんなことじゃない。

どうしたの、その痣、大丈夫?って言葉より先に口から飛び出した、自分のものなのに制御できなかった声。

「ねぇ、元宮くん。君、心臓二個あんの?」
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