最愛の灯を吹き消す頃に。
「心臓が二つあるっていうのは?」

「あるってこと、ないよね?」

「そのつもりだけど」

「元宮くんにはね、灯が二つ見えるの。教室に入ってきた時からそうだった。私もそんなことは初めてだったから目が離せなくなっちゃって」

「ああ、だからか」

「うん?」

「なんか睨まれてるなぁって」

「睨んでなんかっ…!」

「冗談だよ」

元宮契はからかうような表情で笑った。
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