最愛の灯を吹き消す頃に。
「元宮くんがお父さんに似てるってだけで憎いの?」
「俺が母さんの思い通りにならなかったり何か失敗するたびに手を上げられた。ママのことが嫌いだから嫌がらせするんでしょう。あなたも私を捨てるんでしょって」
元宮契の背中に広がる青紫の痣が鮮明に脳裏に蘇る。
「そんなのって酷いよ。全部親の勝手じゃんか。ていうか、エマちゃんはどうなの…」
「エマにはそんなことしてないよ。今目の前に居る夫との子だからね。義父の前では″いいお母さん″やってるよ」
「それって」
「全部義父への愛だけだろうね」
「エマちゃん自身のことは…」
「俺への感情と同じだと思う。誰かに愛されて、その証拠としてエマが産まれた。承認欲求の具現化」
だからお母さんはこんなにも小さいエマちゃんにでさえ無関心でいられるんだ。
小さい命が危険に晒されることよりも夫の前で精一杯″いいお母さん″を演じた自分への慰めとして、見えないところでこんなにも奔放になれるのだ。
今は見えていないだけ。
命は消える。生き物であれば平等に。
そうなった後で取り返しがつくものなんてないのに。
「だからエマちゃんを放っとくの?勝手にマンションを飛び出しちゃうくらいだよ?事故や事件に巻き込まれることなんて簡単に想像できるのに」
「何度も父さんに相談しようと思った。でもそれは完全に全てを壊すスイッチになる。母さんだけが悪いんじゃない。弱い俺のせいでもある」
苦しい自分を犠牲にすることがどれだけ怖いかは理解できる。
正論なんて他人のことだから言える無責任と一緒だ。
元宮契が、自分が失うものと引き換えにエマちゃんを守った先に、彼の幸せがあるかなんて分からない。
「お母さんはせめてお父さんの前だけでも、なんで元宮くんには優しくできないの」
「義父のことを愛しているのは本当だと思うよ。傷心してた頃、だいぶ救われただろうから。でもそれよりも実父への愛が強かったんだ。だから思い出すだけでメンタルにクる。そうなると自分でも自分を制御できなくなる。俺を痛めつけることでしか悪魔の影を消すことができないんだろうね」
「俺が母さんの思い通りにならなかったり何か失敗するたびに手を上げられた。ママのことが嫌いだから嫌がらせするんでしょう。あなたも私を捨てるんでしょって」
元宮契の背中に広がる青紫の痣が鮮明に脳裏に蘇る。
「そんなのって酷いよ。全部親の勝手じゃんか。ていうか、エマちゃんはどうなの…」
「エマにはそんなことしてないよ。今目の前に居る夫との子だからね。義父の前では″いいお母さん″やってるよ」
「それって」
「全部義父への愛だけだろうね」
「エマちゃん自身のことは…」
「俺への感情と同じだと思う。誰かに愛されて、その証拠としてエマが産まれた。承認欲求の具現化」
だからお母さんはこんなにも小さいエマちゃんにでさえ無関心でいられるんだ。
小さい命が危険に晒されることよりも夫の前で精一杯″いいお母さん″を演じた自分への慰めとして、見えないところでこんなにも奔放になれるのだ。
今は見えていないだけ。
命は消える。生き物であれば平等に。
そうなった後で取り返しがつくものなんてないのに。
「だからエマちゃんを放っとくの?勝手にマンションを飛び出しちゃうくらいだよ?事故や事件に巻き込まれることなんて簡単に想像できるのに」
「何度も父さんに相談しようと思った。でもそれは完全に全てを壊すスイッチになる。母さんだけが悪いんじゃない。弱い俺のせいでもある」
苦しい自分を犠牲にすることがどれだけ怖いかは理解できる。
正論なんて他人のことだから言える無責任と一緒だ。
元宮契が、自分が失うものと引き換えにエマちゃんを守った先に、彼の幸せがあるかなんて分からない。
「お母さんはせめてお父さんの前だけでも、なんで元宮くんには優しくできないの」
「義父のことを愛しているのは本当だと思うよ。傷心してた頃、だいぶ救われただろうから。でもそれよりも実父への愛が強かったんだ。だから思い出すだけでメンタルにクる。そうなると自分でも自分を制御できなくなる。俺を痛めつけることでしか悪魔の影を消すことができないんだろうね」