最愛の灯を吹き消す頃に。
「真中さん!」

「元宮くん?」

すぐに後を追ってきた元宮契を振り返る。

「明日の放課後、真中さんちに行ってもいい?」

「うちに?」

「うん。家の人、誰か居る?」

「もしかしたらお兄ちゃんが居るかもしれないけど。うち共働きだから七時くらいまでは帰ってこないよ」

「じゃあ俺も一回帰ってパソコン持ってくるからさ。一緒に小説書こうよ」

「一緒にって。書くのは元宮くんでしょ」

「そばで、一緒に」

なんだか照れ臭くて俯いてしまうけれど、嬉しかった。

「うん。分かった」

「じゃあね。真中さん」

「新凪でいいよ」

「いいの?」

「真中さんってちょっとよそよそしいもん」

「じゃあ、ニーナ」

不思議な感じがした。
元宮契が呼ぶ「にいな」は、みんなの「新凪」とは違う。
「ニーナ」って愛称みたいに聞こえた。
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