最愛の灯を吹き消す頃に。
「命」がいつも目の前にある。
カタチになって見える。

だけど私が手を差し伸べることはない。

尊いけれど脆い。
己の無力さと、命の炎が消えゆく様を見送るだけのちっぽけな自分。

私にとって命とは恐怖の対象でしかなかった。

ちーくん。
あなたに出逢うまでは。

お医者さんみたいな能力や技術を持っていなくても、魔法なんか使えなくても私にだって救える命があるかもしれないと、守りたい命がこの世には在るということを君は教えてくれた。

「ねぇ、君。心臓二個あんの?」

そんな私の素っ頓狂な言葉。
君は眉間に深く皺を寄せて見せた。

あの日から始まった私達の最愛。

命よりも重い存在証明が欲しいと願った君のこと。
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