最愛の灯を吹き消す頃に。
「元宮くんだったら一瞬で彼女できそうだもんね」

佐々木さんが言って「どんなイメージだよ。結構硬派なんだけどなぁ」ってちーくんが言った。

こんな会話、早く終わって欲しかった。
私と付き合ってるって言ってくれても良かったのに。
ちーくんがモテる話なんて聞きたくない。

「それより佐々木さん大丈夫?」

「え?時間?先生んとこならもう…」

「そうじゃなくて。今朝から元気?なんか具合…」

「ニーナ」

ちーくんに呼ばれてハッとした。
どうしても会話を遮りたくて、頭の中でぐるぐると考えているうちに佐々木さんの体調不良を口に出してしまった。

オレンジ色よりも、もう少し薄くなり始めている佐々木さんの灯。
ただの風邪ではなさそうだった。

「どこも悪くないけど…」

「ごめん!ごめんね。ちょっと顔色悪いように見えたから。照明のせいかなぁ?この電気、切れかかってるのかもね」

「びっくりしたぁ。新凪ちゃん預言者かと思っちゃったよ」

佐々木さんの親友が硬い表情で笑った。
「それなら凄いね」って佐々木さんも笑ってくれたけれど、私の額にはじんわりと冷たい汗が滲んでいる気がした。

その日のお昼休み後、佐々木さんは酷い腹痛と吐き気を訴えて早退した。
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