おひさまからのラブレター
「これは、僕たちに与えられた宿命なのだ」

 おひさまは、声にならない溜息をつきました。

 朝に会っても、夕べにすれ違っても。おひさまにできることといえば、ただ顔をあんず色に染めて、黙って彼女を見送ることだけでした。

 森の子供たちは、空が甘い色に染まるのを見ると、声を潜めてささやき合いました。

「ごらんなさい、お日様がお月様を見つめているよ。二人の邪魔をしてはいけないから、早くおうちに帰りましょう」

 同じ空に、一緒にはいられない。その切なさに胸を痛めながらも、おひさまは考えました。

「そうだ。せめて、この気持ちだけでも届けよう。光で描いた手紙を出すんだ」

 それからというもの、おひさまは毎日、あんず色の光でラブレターを書くようになりました。
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