おひさまからのラブレター
 空いっぱいに広がる、あんず色のラブレター。

「愛しいおつき様、どうか一度だけでいい、僕の姿を映しておくれ」

 おひさまは毎日、子供たちの歌声にのせて、熱い恋の手紙を届けました。

 ところが、おつき様は、あまりにも内気でした。

 情熱的な手紙を受け取るたび、そして子供たちの無邪気な合唱を聴くたびに、真珠のような銀色の頬をそっと隠してしまいます。

 まん丸だったお顔を、恥ずかしそうに背けるおつき様。

 ある時は半分に。またある時は、細い三日月の形に。おひさまの視線から逃げるように、少しずつ、少しずつ、身を潜めていくのでした。
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