おひさまからのラブレター
 森の動物たちは、決して交わることのない二人の恋を、心から不憫(ふびん)に思いました。  

 風はざわめき、心配した雲たちが黒く空を覆って、ひそひそと相談を始めます。

 すれ違う二人に対し、動物たちはそっと声をかけることにしました。

 おひさまには、「おつき様があなたの恋文を読んで、銀色の涙をこぼしていましたよ。それが明日の朝、露草に光るしずくになるのです」と教えました。

 おつき様には、「おひさまは一日中、世界を明るくしようと一生懸命に働いています。どうかお返事を書いてあげてください」と伝えました。

 それを聞いたおつき様は、おひさまがぐっすりと眠れるように、世界に魔法をかけることにしました。

 おつき様は夜空にのぼると、まだざわついている森の住民たちに向かって、指をくちびるに当て「しーっ」と囁きます。すると、風も木の葉も、おひさまを起こさないように静まり返るのです。
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