おひさまからのラブレター
 けれど、おつき様の返事が、朝を迎えるおひさまに届くことはありません。

 残念なことに、おひさまのあんず色の光が空を染め、星を消し去ってしまうのです。

 そのこと知ったおつき様は、朝が来る直前。おひさまが目を覚ますその瞬間に、黄色い姿を隠し、自分が最も美しく見える銀色の輝きへと姿を変えます。

 お日さまは、沈みゆくその銀色の光を見て、「ああ、彼女も僕を待っていてくれたんだ」と信じ、新しい一日を始める勇気をもらうのです。

 そんなある日、二人はお互いを想う気持ちがあふれ出すと、我慢ができなくなってしまいました。

「もう少しだけ、彼女を見ていたい」

 おひさまは沈むのを拒み、おつき様もまた、夜を待たずに空へ駆け上がります。
< 20 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop