【完結】Dressyに恋をして

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「うーん、しかし、これより大きな箱を青山で用意するとなると、コストが…」

「うーん、そうなのよねぇ。」

「この先にあと2店舗ありますよ。
確か1つは広かったと思います。
カフェの2倍くらいの広さじゃ無かったかな?」

「行ってみましょう!」

私は言う。

「先輩って本当に仕事が好きなんですね…」

「うーん、まぁ好きかなぁ?
他にやる事も無いしね。」

私は適当に答えた。

2店舗目に到着し、中を見ると、私のイメージ通りだった。

「わぁ!
素敵ね!
ヒノキが使ってあるわ!

ここ!
九条社長でもきっと文句は無いわよね!」

私は言う。

「…先輩、NGワードですよ?」

「え…?」

「九条社長の名前は出さないって言ってたじゃ無いですか…」

東雲君は綺麗な眉を少し顰めながら、非難するようにそう言った。

「い、いや、でも、仕事上の上司の名前だから…
全然出さないってのも、おかしな話で…」

私はしどろもどろで答える。

「それに九条社長は…」

私が言いかけたその時、東雲君は私を両手で引き寄せ…

そして、ぶつかりそうになる直前に、優しく口付けした。

「口封じっ…!
なんちゃって…」

はぁぁぁあ!?
い、い、今キスされたぁぁぁあ!?

「な、な、何するのよ!!!」

パァン!

2度目の聞き慣れた音が、空のテナントに響いた。

「イッテ…!
す、すいません…」
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