溺愛センパイと雨空の下で。
男の人って甘いもの苦手かもしれないとも思ったけど、きっとあの優しそうな橘先輩ならそれでも受け取ってくれる、よね?

とはいえ問題なのは橘先輩がいる3階に行くことだった。

1階は1年生、2階は2年生、3階は3年生が使っており、移動教室は大体別棟に移動するから3年生の教室があるメインフロアには入ったことがない。

たまに2年生のフロアに他学年の人が来たりするけど、それはそれは注目を浴びている様子だった。

そりゃそうだよ、普段は見慣れない人がいるんだもん。


でも橘先輩に会おうと思ったら、3階に行くしかない。

一人で行く勇気なんてサラサラない私は面倒臭そうにするそらちゃんを何とか説得して、今3階へと繋がる階段の下にいる。


「なら、さっさと行くよ?食後のお菓子タイム無くなっちゃうじゃん」
「そ、そうだよね…」
「はい、もう行くよ」


そう言って私の手を引きながら1段1段階段を登っていくそらちゃん。ほんとに男らしくてかっこいいんだけど…


「め、めめ迷惑じゃないかな…」
「そんな訳ない。時雨のクッキー、世界一美味しいもん」
「あ、あああ甘いの、ににににがっ」
「苦手でも受け取るくらいするでしょ」
「そ、そそそそれにっ、」
「うるさい。」

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