溺愛センパイと雨空の下で。
「あっ、あのっ、たっ、ちばな先輩、知りません…か?」

噛んじゃったけど、自分から話しかけることができた…!
いつもそらちゃんに頼ってばかりだし、こうやって少しずつ苦手なことを克服したらきっといつか…。

私が男子3人組に話しかけると、途端にざわつく3年生フロア。気づかないうちに教室の中にいた先輩方も続々と廊下へ出てきていた。


「えっ!?守咲時雨ちゃんじゃん!!えっ、俺たち話しかけられてる!?マジで!?」
「うっわ、俺まじ自慢するわ。」
「……じゃなくて!守咲ちゃん?誰探してるって?」
「……た、橘、風羽先輩を……」


初めて呼んだ下の名前。
少しむず痒くて、恥ずかしい。
だけど、橘先輩って他にもいるかもしれないから…。

私が橘風羽先輩の名前を伝えると、目の前にいる3人は目を丸くした。


「ちょ!まってまって!風羽を探してんの!?」


そう言いながら近づいてくるのは男子3人組では無く、教室の中にいた金髪の男性。


うわあ、身長高い……。

だって橘先輩みたいにドアの上のところ触ってるよ!
金髪にピアス。いかにも…チャラい雰囲気のこの先輩は橘先輩のことを『風羽』と呼んだ。

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