娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
躊躇なく蓮人に写真を撮ろうとせがむお母さんたちのパワーには驚いたが、それ以上にうらやましかった。

自分だって蓮斗と写真を撮りたいと、何度も心の中で繰り返したほどだ。

「その顔、もしかして杏奈も俺と写真を撮りたかったのか?」
「いえ、それは……別に」

図星を突かれ、杏奈は視線を泳がせた。

「気が合うな」

蓮人は頬を緩め、杏奈を見つめた。

「俺も杏奈と写真を撮りたかったし……それにふたりで朱音ちゃんを応援したかった」

わずかに愁いを帯びた声に、杏奈はハッと顔を向けた。

「だけど、今は無理だな。俺と杏奈が一緒に朱音ちゃんを応援したら、それこそパワフルなお母さんたちに話のネタを提供することになるよな」

一瞬で表情を元に戻し、蓮人は明るく言葉を続けた。

「……間違いないですね」
 
なにより朱音が蓮人の父親だと知られてしまったら、格好のネタにされるはずだ。

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