娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
けれどただでさえ普段から杏奈と朱音を気にかけて、なにかと配慮してくれる店長や同僚たちに迷惑をかけたくない。

すると三園が小さく眉を寄せた。

「茅島さんのいいところだけど気を使いすぎるのも考えものよ。困った時はお互い様。それに茅島さんがいないからって店が回らないわけじゃないわよ。私やバイトもいるし。でも朱音ちゃんのママは茅島さんだけでしょ。行ってあげて」

「ありがとうございます」

店長というよりも子育ての先輩としての顔で諭されて、頑なだった気持ちが和らいだ。

子どもの頃から周囲の反応や空気感を必要以上に気にかけて、心身共に疲れることが多かった。

後で後悔したり反省したりしてばかり。

朱音が生まれてからは、彼女の幸せを最優先に考えてそれ以外のことには鈍感になろうと意識してきたが、人の本質は簡単には変わらないようだ。

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