娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
本心では朱音を今すぐ迎えに行きたいと思いながらも、店に迷惑はかけられないからと、つい我慢した。

「お店が気になるなら、朱音ちゃんをここに連れて来ても大丈夫だから、ひとまず迎えに行ってあげて。朱音ちゃん、待ってるはずよ」

「ありがとうございます。じゃあ、お言葉に甘えて行ってきます」

三園の言葉に背中を押されて、杏奈は食べ終えたトレイを急いで厨房に返し、足早に店を出た。

店からつばき幼稚園まで自転車で十分程度。

ゴールデンウィークが終わったばかりだというのに、陽射しは強く夏の気配が色濃く漂っている。

杏奈は幼稚園の駐輪場に自転車を停めると、額に浮かぶ汗を拭きながら足を速めた。

広い園庭では子どもたちが月末に予定されている運動会の練習をしていた。

入場行進の練習をしている園児たちの中に、顔見知りの男の子を見つけて感心する。

< 15 / 249 >

この作品をシェア

pagetop