娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
三園はゆっくりと口を開いた。


「〝頼れるごはん〟のプロジェクトに茅島さんが招集されるそうよ。寂しくなるけど、店長として誇らしいわ。がんばってね」
またひとつ増えた情報に、とうとうキャパが限界を超えた。

「まさか……」

杏奈の手から、箸がぽろりと滑り落ちた。



   *   *   *


 
時計を見ると十六時。

昼食を挟んで午前中から続いていた全社会議が終了し、蓮斗は社長室に向かうエレベーターの中で息をついた。

四半期に一度開催されるこの会議の目的は、各部門の現状を全社で共有することで、それぞれの部門から数人が本社に集まる。

現在、会議の多くはリモートで実施され、直接顔を合わせる機会は少ない。

支障はないが、顔を合わせ言葉を交わすことでしかわからない相手の熱量や思いがあるのはたしかだ。

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