娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「それでね、あと……あ、ごめんなさい。お昼を食べながらでいいから聞いてもらえる? 実は茅島さんにとって、すごくいい話があるのよ」

もったいぶる三園に、杏奈は首をかしげた。

「なんの話ですか?」

「ふふっ。まずはまかないのミックスグリルを食べて。うちの看板メニューは今日も安定のおいしさよ」

三園は楽しげにそう言うと「でも、そうね……」と考え込み、小さく息を吐き出した。

「茅島さんがここでまかないを食べるのって、あと少しかもしれないのよね。喜ぶべきだけど、やっぱり寂しいわ」

「あと少しって、あの、どういう意味ですか?」

三園がなにを言いたいのかさっぱりわからない。

杏奈はとりあえずテーブルに並ぶミックスグリルを手に取り、椅子に腰をおろした。

ランチタイムが終了したとはいえ、ティータイムを控えてホールは忙しい。

早く食事を済ませて戻らなければと、箸を手にした時。

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