娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「駒田さんとふたりで彼女が働く店に押しかけて俺と別れろと迫ったらしいですね。いや、お金にものを言わせて別れるように脅したっていうのが正確ですか」

蓮斗は込み上げる怒りを胸の奥に留め、淡々と問いかけた。

「なんの話だ……店に押しかけて? ……ああ、あのことか」

ようやく思い出したのか、父は面倒くさそうに眉をひそめた。

「そういうこともあったな」

「他人事みたいに、よく言えますね」

一度は抑えた怒りが胸に広がるのを感じ、蓮斗は膝の上で両手を握りしめた。

杏奈を追い払ったことなど、記憶にも残らないちっぽけな話なのだろう。

この人に怒りをぶつけても仕方がない。

それこそ今さらだ。

蓮斗は深く息を吐き出し、どうにか気持ちを落ち着ける。

「それより、お前、どうしてそれを?」

「どうして? それは五年経っても途切れなかった縁が俺に味方してくれたんですよ」

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