娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「香帆さんが別の男と結婚した時には弥生さんに散々嫌味を言われてけなされて絶望したが、まさか離婚するなんて幸運、普通はあり得ないだろ。五年経っても縁は途切れてなかった。それはもともとお前と結婚する運命だったということだ。奇跡と思わないか? 俺から先方には話をつけるから、四の五の言わずにさっさと結婚しろ」

耳障りな父の声に、蓮斗はすっと表情を消した。

「あり得ないって言いたいのは俺の方です。それに五年経っても途切れなかった縁なら、十分間に合ってますよ」

「そうか、間に合ってるか。それは良かった……は?」

父は目をまたたかせ、蓮斗の隣に勢いよく腰を下ろした。

「なんの話だ?」

「五年前、俺に隠れて自分がなにをしたのか、忘れたとは言わせませんよ」

蓮斗は顔をしかめ、父に向き直った。

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