娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
普段杏奈には見せない極上の笑顔。それを独り占めしている蓮斗に、嫉妬してしまうほどだ。

「まあ、いいか」

朱音が笑顔でいてくれるなら、それだけで、いい。

それに蓮斗と離れていた時の寂しさを考えれば、こうして三人でいられるだけで十分幸せだ。

〝蓮斗君〟でも〝パパ〟でもどちらでもいい。

杏奈は椅子の背にもたれ、ホッと息をついた。

その時、蓮斗が手もとに置いていたスマホの画面が光り画面を見ると、蓮斗の父の名前が目に入った。

「休みの日にまで……。ごめん、すぐに終わるから」

蓮斗はうんざりしたようにつぶやくと、渋々と言った様子で電話に出た。

「もしもし? ……は?」

電話に出た途端、蓮斗は眉をひそめた。

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