娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
おまけに生まれた時から杏奈とふたりで暮らしている朱音には、〝パパ〟という概念がない。

お友達の中にもシングルマザーに育てられている子が意外に多く、パパはいてもいなくてもどっちもあり。と考えているようなのだ。

そこからどうやって蓮斗への意識を変えさせればいいのか、わからない。

「じゃあ、蓮斗君は幼稚園で慎太君とクルクルするの?」

ふと見れば、期待に目を輝かせている朱音に、蓮斗が「望むところだ」とむきになり答えている。

蓮斗のことだ、次に幼稚園に顔を出すまでに前回りでも逆上がりでも、完璧に仕上げていそうだ。

「朱音ちゃんもクルクルできるように、教えてあげるよ」

「やったー。朱音、がんばる」

杏奈の心配をよそに、ふたりはハイタッチをしながら盛り上がっている。

もともと明るく朗らかな朱音が、さらに伸び伸びと、屈託のない笑顔で蓮斗に心を許している。

< 197 / 249 >

この作品をシェア

pagetop