娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
以前のことを考えればそれは予想どおりの展開だが、蓮斗が再び杏奈のことを持ち出したせいで、香帆との縁談をまとめようと再び動き出しているのかも知れない。

彼女も昔と変わらず蓮斗と結婚したいと考えているのだろうか。

「ママ、蓮斗君は?」

「蓮斗君はお話が終わったらすぐに帰って来るよ……あ」

杏奈は自然と自分の口から出てきた言葉にハッとした。なんの迷いもなく、スラスラとそう言っていたのだ。

そう、大丈夫だ。

なにが起きているのかさっぱりだが、蓮斗は杏奈と朱音を傷つけるようなことは絶対にしない。

駒田さんの名前が出てきたことも、なにか理由があるはずだ。

それだけは信じられる。だったら、まずは朱音を安心させなければ。

杏奈は軽くうなずくと、まだ心配顔の朱音に明るく声をかけた。 

「先にプリン食べちゃおうか。ママ、楽しみにしてたの」

「でも、蓮斗君は?」

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