娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
朱音は蓮斗が出ていった店のドアをチラリと見やる。

「蓮斗君、大切なお話があるみたい。終わったら帰ってくるよ。だって、朱音のことが大好きだもん」

「朱音も蓮斗君のこと、大好き」

朱音はようやく笑顔を見せた。

「朱音、蓮斗君よりも先にプリン食べる。あのね、ママ」

「なあに?」
 
朱音は顔を寄せた杏奈ににんまりと笑い、待ってましたとばかりに口を開いた。

「朱音、プリンとアイスがいいチョコのアイス。クリームが乗ってるの」

「チョコのアイス?」

「うん。朱音、ぜーんぶ大好き」

「大好きって……」 

杏奈の体から力が抜けていく。

さっきまで蓮斗を思い寂しがっていたのに、今ではプリンとチョコアイスで頭はいっぱいのようだ。

子どもにはありがちな、この切り替えの速さ。

見習いたいくらいだ。

「朱音、オレンジジュースも飲みたい」

「いいね」

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