娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
蓮斗の子だとすでにバレている可能性の方が高そうだが、だからといって本当のことは話せない。

「じゃあ、私、仕事中だからこれで。蓮斗さんにもよろし――」

「杏奈っ」

その時前方から名前を呼ぶ声が聞こえ、杏奈はハッと顔を向けた。

「蓮斗さん?」

病棟に続くエレベーターから出てきた人混みを抜けて、蓮斗が向かってくる。

遠目からでも表情が固く、焦っているのがわかる。

「杏奈、大丈夫か?」

蓮斗は杏奈の傍らに駆け寄ると、杏奈と駒田との間に割って入った。

よほど急いでいたのか、肩が激しく上下している。

「駒田さん、杏奈になにか用でも? 話があるなら俺が聞くからふたりには近づかないでほしい」

「なによ、急に。慌てるなんて珍しい。言っておきますけど、彼女に用なんかないわよ」

駒田は蓮斗にムッとした表情を見せる。

「だったらどうしてここで杏奈と――」

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