娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
薬で血圧を下げたものの、高血圧の影響で他の臓器の機能が低下している可能性がある。

全身の検査は必要不可欠だ。

「朱音ちゃん、お前によく似てるな」

「そっくりです」

朱音は杏奈と弥生と三人で、中庭奥の花壇に咲き誇るひまわりを眺めている。

遠目からでも色鮮やかで、どれも朱音よりも背が高い。

朱音はぴょんぴょん跳びはねながら、弥生になにか話しかけている。

「弥生さん、結構な負けず嫌いですね」
 
駒田を睨み付けていた眼差しは、震えそうになるほどクールだった。

「そうだな。じゃなきゃうちほど大きな会社の社長夫人は務まらん。そのうち杏奈さんもああなるぞ」

「ですね」

軽く答えながらも、とっくに覚悟している。

杏奈は仕事に打ち込みながらひとりで朱音を育ててきたのだ。

杏奈自身、気づいていないかも知れないが、弥生以上の強さを秘めているとしても当然。

この先、そんな杏奈に会うのも楽しみだ。
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