娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
「朱音ちゃん、同い年の子たちの中で背が高いよな。ハキハキしてるし、かけっこも一番で一輪車も乗れるって自慢された」

「朱音……」

人見知りをしないどころか初対面の相手でも物怖じせず人懐こい。

それは朱音の長所だが、蓮斗相手にはしゃがなくてもいいのにと、ヒヤヒヤする。

けれどその程度のやりとりなら、自分が朱音の父親だと気づくことはないはずだ。

杏奈は自分にそう言い聞かせて、落ち着かない気持ちを立て直した。

「幼稚園に顔を出したら、元気すぎる子どもたちにいつも圧倒されるんだよな」

蓮斗は楽しげに肩をすくめ、笑った。

学生の頃を思い出すあっけらかんとした笑い声に、杏奈はホッと小さく息を吐いた。

この様子なら蓮斗は朱音のことに気づいていない。

そうでなければここまで落ち着いて杏奈と話せるわけがない。

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