娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
もちろん学校に話すつもりなどなく杏奈がそれを必要とするなら力を貸すつもりでいるが、あまりにも確信に満ちた口ぶりに、たじろいだ。

「先輩、昨日お店で心配そうに私のことを見ていたから、申し訳ないって思っていたんです。でも、あの時間は忙しくて声をかける余裕がなくて。ごめんなさい」

「それはいいんだ。俺のことは別に」
 
蓮斗は慌てて首を横に振る。

「ただ学校にばれるとまずいから心配はした」

「そうかなって思ってました。すみません。事情を早く伝えたかったんですけど連絡先を知らないので。だから早めに来て待ってました」

話ができて肩の荷が下りたのか、杏奈は普段と変わらない柔らかな笑みを浮かべた。

「気を使わせたみたいで、俺の方こそごめん」
 
口止めをするどころか蓮斗を気遣い早朝から待っていたのだ。

そこまで気を配る必要はないと思う一方で、信用されていると知ってうれしくなる。

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