娘のパパと再会したら今度こそ逃げられません
『弁護士って面倒見がいい先輩にぴったりですね。ひまわりの弁護士バッジ。似合いますよ、きっと』

頻繁に言葉を交わすようになって気づいたが、杏奈はどんなことも否定せず前向きな反応を返してくれる。

今もひまわりのバッジが胸もとに輝く未来が頭に浮かんで、これまで以上に勉強に身を入れなければとスイッチが入る。

年明けの入学試験まで四カ月を切り、ともすれば不安定になりがちな気持ちが落ち着きを取り戻すのがわかる。

これもすべて杏奈のおかげだ。
ここ最近、杏奈の声が聞きたくて、実行委員の連絡や打ち合せの必要がなくてもメッセージを送ったり電話をかけたりすることが増えている。

今日も久しぶりにバイトが休みだと聞いて、電話をかけている。

本当なら体を休めたいはずだとわかっていても、どうしても我慢できなかった。

『素敵な夢ですね。でも……文化祭が終わったら、受験勉強に集中ってことですよね』

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