こもれび日和
実は農業技術指導員らしく、包丁を握ると急に厳しい声になる。

「玉ねぎはこう、薄く均一に切るんだぞ」
しかし直が隣で大量の玉ねぎを落とし、
実は一瞬でおじいちゃんの顔にもどる。

「あぁ〜! わはは、いい、いい! それも経験だ!」


聡恵は給食室仕込みの手際の良さで、
鍋をいくつも動かし、塩分量をきっちり調整。

「カレーはね、子どもが食べても辛くないようにしないとね」
歩は聡恵の言うことを、真剣にメモするふりをしていた。


「はい、今の笑顔いいよ〜!」
と、奏は家族の姿を写真に収めまくる。

歩と直のエプロン姿も、
木漏れ日の中でとても絵になった。

「オレの秘密兵器、ちょっとだけ入れるぞ〜」
純はカレー鍋にトロッとした自家製のフルーツチャツネを投入。

「これでコクが出るんだ」

蘭も感心しながら味見した。
「……おいしい! やさしい甘さですね」
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